時雨降る大荒木野の小笹原
濡れはひづとも色に出でめや
- 歌の意味
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時雨の降る大荒木野の笹原が濡れそぼっても色を変えないように、私も涙に濡れても思いを顔色に出したりしようか、いや出さない。
- 鑑賞
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恋歌 500
詞書は前の歌に続き「忍恋」
時雨に降られて濡れそぼっても色を変えない大荒木野の笹原のように、涙に濡れても恋心を表に出すことはしないと詠んだ歌である。前歌と同じ初句で始め、忍ぶ恋の決意を重ねている。
初句「時雨ふる」は、前歌と同じ初句である。
二句「大あらき野の」は、山城国の歌枕の大荒木野のの意で、字余りである。本巻の第四百五十四首の「大あらき」と同じ地名である。
三句「小篠原」は、小さな笹の生えた野原の意である。
四句「ぬれはひづとも」は、濡れてびっしょりになってもの意で、涙に濡れることを重ねる。
結句「色に出でめや」の「や」は反語で、色に出そうか、いや出さないの意である。本巻の第四百二十九首と同じ結句である。
をざさはら:小さな笹の生えた野原
ひづ:びっしょり濡れる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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時雨降る秋の山辺に置く霜の 色には出でじ色に出づとも
- 次の歌
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わが恋は逢はでふる野の小笹原 いくよまでとか霜の置くらむ