- 歌の意味
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今さら何を隠すことがあろう。花すすきが穂に出るように恋を表に出したあの秋も、ほかの誰でもない私たちだったのに。
- 鑑賞
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恋歌 506
詞書「会不逢恋」
一度は逢った仲なのに、今さら何を隠すことがあろうか、花すすきが穂に出るように思いを表に出したあの秋も、ほかならぬ自分たちだったではないかと詠んだ歌である。逢ったのちに逢えなくなった恋の嘆きを表している。
類従本では題を「あひてあはぬ恋」とする。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「今更に」は、今さらにの意である。
二句「なにかを忍ぶ」は、何を隠すのかの意で、「か」は反語の係助詞で、「忍ぶ」と連体形で結ぶ。ここで句切れとなる。
三句「花すすき」は、穂の出たすすきの意で、「ほ」を導く。
四句「ほにいでし秋も」は、穂が出ることと、思いが表に出ることとを掛け、字余りである。本巻の第四百九十八首の「ほにはいでず」に対し、表に出た恋を詠んでいる。
結句「誰ならなくに」は、ほかの誰でもないのにの意である。
はなすすき:穂の出たすすき
ほにいづ:穂が出る意と、表に現れる意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
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消えなまし今朝訪ねずば山城の 人来ぬ宿の道芝の露
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五月闇木の下闇の暗ければ おのれ惑ひて鳴く郭公