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五月闇木の下闇の暗ければ
おのれ惑ひて鳴く郭公

歌の意味
五月の闇夜に、木の下の闇がいっそう暗いので、自分から道に迷って鳴いているほととぎすよ。
鑑賞
恋歌 507

詞書「夏恋」
 五月の闇夜、木の下の闇がいっそう暗いので、自ら道に迷って鳴いているほととぎすを詠み、恋の闇に迷って泣く自分の姿を重ねた歌である。
 類従本では題を「夏の恋といふ事を」とする。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。

 初句「五月やみ」は、梅雨の頃の月のない暗い夜の意である。
 二句「木の下やみの」は、木の茂った下の暗がりのの意で、「やみ」を重ねて暗さを強めている。
 三句「くらければ」は、暗いのでの意である。
 四句「おのれまどひて」は、自分から迷っての意で、恋の闇に迷う自分を重ねる。本巻の第四百十二首の「おのれのみ」と同じく、「おのれ」を用いている。
 結句「なく郭公」は体言止めである。本巻の第四百八首のほととぎすと同じく、鳥が鳴くことと自分が泣くこととを重ねている。

さつきやみ:梅雨の頃の月のない暗い夜
このしたやみ:木の茂った下の暗がり
まどふ:迷う
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
今更に何かを忍ぶ花薄 ほに出でし秋も誰ならなくに
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庭の面に茂りにけらし八重葎 訪はで幾世の秋か経ぬらむ