故郷の浅茅が露に結ぼほれ
ひとり鳴く虫の人を恨むる
- 歌の意味
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古びた里の浅茅に置く露に濡れてふさぎこみ、ひとり鳴く虫が人を恨んでいるように、私もひとり泣いてあの人を恨んでいることだ。
- 鑑賞
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恋歌 511
詞書「人々歌よみしに経年待恋といふ事を人々におほせてつかうまつらせしついでに」
荒れた古里の浅茅に置く露に濡れてひとり鳴く虫のように、自分も年を経て待ち続け、ひとり泣いてあの人を恨んでいると詠んだ歌である。人々に「経年待恋」の題を与えて詠ませた折の歌である。
類従本では詞書を「年を経て待恋といふことを人々におほせて、つかうまつらせし次に」とする。
初句「故郷の」は、古びて荒れた里のの意で、かつて通った人の訪れが絶えた所を思わせる。
二句「あさぢが露に」は、浅茅に置く露にの意で、前二首の「浅茅原」を受けている。
三句「むすぼほれ」は、心がふさぎこんでの意で、前二首から続く同じ語である。
四句「ひとり鳴く虫の」は、ひとりで鳴く虫のの意で、字余りである。虫が鳴くことと自分が泣くこととを重ねる。
結句「人をうらむる」は、人を恨むの意で、連体形で詠嘆を込めて結んでいる。
ふるさと:古びて荒れた里、昔なじみの所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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浅茅原あだなる霜の結ぼほれ 日影を待つに消えや渡らむ
- 次の歌
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さ筵にひとりむなしく年も経ぬ 夜の衣の裾合はずして