さ筵にひとりむなしく年も経ぬ
夜の衣の裾合はずして
- 歌の意味
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むしろの上でひとりむなしく年も過ぎてしまった。夜の衣の裾が合わないように、あの人と逢うこともなくて。
- 鑑賞
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恋歌 512
詞書「待恋の心をよめる」
敷物の上でひとりむなしく年月を過ごしてしまった、夜着の裾が合わないように、恋人と逢うこともないままにと詠んだ歌である。ここから待つ恋の題の歌が続く。
初句「さむしろに」は、敷物の上にの意で、本巻の第五百四首の初句と同じ語である。
二句「ひとりむなしく」は、ひとりでむなしくの意で、前歌の「ひとり」を受けている。
三句「年も経ぬ」は、年も過ぎてしまったの意で、ここで句切れとなる。
四句「よるの衣の」は、夜着のの意である。
結句「すそあはずして」は、衣の裾が合わないことと、逢わないこととを重ねている。本巻の第四百九十二首の「行きあはずして」と同じく、逢わないままを結句に置いている。
さむしろ:敷物、むしろ
よるのころも:夜着、寝るときにかける衣
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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故郷の浅茅が露に結ぼほれ ひとり鳴く虫の人を恨むる
- 次の歌
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さ筵に幾世の秋を忍び来ぬ 今はた同じ宇治の橋姫