あだし野の葛のうら吹く秋風の
目にし見えねば知る人もなし
- 歌の意味
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あだし野の葛の葉の裏を吹く秋風が目には見えないように、私の恋の恨みも目に見えないので、知る人もない。
- 鑑賞
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恋歌 524
詞書「寄風恋」
あだし野の葛の葉を裏返して吹く秋風が目には見えないように、心の内の恋の恨みも目に見えないので、知る人もいないと詠んだ歌である。
底本の注記によれば、類従本では二句に異同がある。ここでは底本の本文に従う。
初句「あだし野の」は、山城国の歌枕のあだし野のの意である。
二句「葛のうら吹く」は、葛の葉の裏を吹くの意で、「うら」に裏と心とを掛け、恨みも思わせる。
三句「秋風の」は、秋風のようにの意で、ここまでが「目にし見えねば」を導く。
四句「目にし見えねば」は、目には見えないのでの意で、「し」は強意である。
結句「知る人もなし」は、知る人もいないの意である。本巻の第五百十六首の「くずの葉」と「あだなる風」を受けた趣向で、ここでは風が目に見えないことに焦点を当てている。
うら:葉の裏の意と、心の意を掛ける
あだしの:山城国の歌枕
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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白雲の消えは消えなで何しかも たつたの山の名のみ立つらむ
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唐衣裾合はぬつまに吹く風の 目にこそ見えね身には染みけり