唐衣裾合はぬつまに吹く風の
目にこそ見えね身には染みけり
- 歌の意味
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唐衣の裾の合わない褄に吹き込む風が目には見えないが身にしみるように、逢わない人へのつらさは目には見えないが身にしみることだ。
- 鑑賞
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恋歌 525
詞書は前の歌に続き「寄風恋」
唐衣の裾の合わない褄から吹き込む風が目には見えないのに身にしみるように、逢えない人を思うつらさは目に見えないが身にしみると詠んだ歌である。前歌の「目にし見えねば」を受け、見えない風を身に感じるものとして詠んでいる。
底本の注記によれば、この歌は貞享本にのみあって類従本にない歌二首のうちの一首である。
初句「唐衣」は、唐風の衣の意である。
二句「すそあはぬつまに」は、裾の合わない褄にの意で、「つま」に衣の褄と妻とを掛け、逢わない人を思わせる。本巻の第五百十二首の「すそあはずして」と同じ趣向である。
三句「吹く風の」は、吹き込む風のようにの意である。
四句「目にこそ見えね」の「こそ」は係助詞で、「見えね」と已然形で結び、逆接で下へ続く。前歌の四句「目にし見えねば」と同じく、見えない風を詠む。
結句「身にはしみけり」は、身にはしみることだの意で、「けり」は詠嘆である。
つま:衣の褄と、妻を掛ける
しむ:深く感じる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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あだし野の葛のうら吹く秋風の 目にし見えねば知る人もなし
- 次の歌
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時鳥鳴くや五月のさつき雨の 晴れず物思ふ頃にもあるかな