時鳥鳴くや五月のさつき雨の
晴れず物思ふ頃にもあるかな
- 歌の意味
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ほととぎすの鳴く五月の五月雨が晴れないように、心晴れずに物思いをするこのごろであるなあ。
- 鑑賞
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恋歌 526
詞書「寄雨恋」
ほととぎすの鳴く五月に降り続く五月雨が晴れないように、心も晴れないまま恋に物思いをしているこのごろだと詠んだ歌である。古今集の「ほととぎす鳴くや五月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな」を踏まえている。
底本の注記によれば、類従本と定家所伝本では三句を「さみだれの」とし、これに従うべきかとされる。ここでは底本の本文に従い、三句は字余りとなる。
初句「時鳥」は、ほととぎすの意である。
二句「なくや五月の」は、鳴く五月のの意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。本歌の二句と同じ句である。
三句「さつきあめの」は、五月雨のようにの意で、字余りである。二句の「五月」と音を重ねている。
四句「はれずものおもふ」は、雨が晴れないことと心が晴れないこととを重ね、字余りである。
結句「頃にもあるかな」は、このごろであることよの意で、「かな」は詠嘆である。前歌までの風から、雨に寄せる恋へと移っている。
さつきあめ:五月雨、梅雨
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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唐衣裾合はぬつまに吹く風の 目にこそ見えね身には染みけり
- 次の歌
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時鳥鳴くや五月の卯の花の うきことの葉のしげきころかな