- 歌の意味
- 色さえも袖から伝わってしまう。下萩の葉に、忍んで過ごした秋の野辺の夕露が置くように。
- 鑑賞
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恋歌 529
詞書「寄露恋」
秋の野辺で人目を忍んでいた頃の夕露が下萩の葉を色づかせたように、袖を濡らす涙の露からさえも恋の色が伝わってしまうと詠んだ歌である。
類従本では「一本及印本所載歌」の部に収める。賀茂真淵は二句の「袖よりつたふ」を後世風であると評している。
初句「色をだに」は、色さえもの意で、「だに」は類推を表す。
二句「袖よりつたふ」は、袖から伝わるの意で、涙に濡れた袖から恋の色が伝わることをいう。
三句「下萩の」は、萩の下葉のの意で、露によって色づくものとされた。
四句「しのびし秋の」は、人目を忍んだ秋のの意で、「しのぶ」に忍ぶ恋を響かせる。
結句「野べの夕露」は体言止めである。前歌までの雨から、露に寄せる恋へと移っている。
したはぎ:萩の下葉
ゆふつゆ:夕方に置く露
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 郭公待つ夜ながらの五月雨に しげきあやめのねにぞ鳴くなる
- 次の歌
- わが袖の涙にもあらぬ露をだに 萩の下葉は色に出でにけり