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秋萩の花野の薄露を重み
おのれしをれてほにや出でなむ

歌の意味
秋萩の咲く花野のすすきは、露が重いので、自然としおれて穂を出してしまうのだろうか。
鑑賞
恋歌 531

詞書は前の歌に続き「寄露恋」
 秋萩の咲く花野のすすきが、露の重さに自らしおれて穂を出してしまうように、涙の重さにこらえきれず、恋心が表に出てしまうのだろうかと詠んだ歌である。

 初句「秋はぎの」は、秋の萩のの意で、前二首の萩を受けている。
 二句「花野のすすき」は、花の咲く野のすすきの意である。
 三句「露をおもみ」は、露が重いのでの意で、「を〜み」は原因や理由を表す。
 四句「おのれしをれて」は、自然としおれての意で、「おのれ」は自ずからの意である。
 結句「ほにや出でなむ」の「ほ」は、すすきの穂と、表に出ることとを掛けている。「や」は疑問の係助詞で、「なむ」と連体形で結ぶ。露に寄せる恋の三首をしめくくっている。

はなの:秋草の花の咲く野
ほにいづ:穂が出る意と、表に現れる意を掛ける
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
わが袖の涙にもあらぬ露をだに 萩の下葉は色に出でにけり
次の歌
待つ人は来ぬものゆゑに花薄 ほに出でてねたき恋もするかな