菊よりも人の心は初霜の
置きあへず色の変はるなりけり
- 歌の意味
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菊の花よりも、人の心は、初霜が置ききらないうちに色が変わってしまうものだったのだなあ。
- 鑑賞
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恋歌 534
詞書「寄菊恋」
霜に当たって色を変える菊の花よりも、人の心のほうが、初霜が置ききらないうちに早くも色が変わってしまうものだったと、恋人の心変わりを嘆いた歌である。
底本の初句には表記に乱れがあり、ここでは題の菊に従って「菊よりも」とする。底本の注記によれば、類従本では初句を「花よりも」とし、四句に異同がある。底本は四句に「あへぬ」と傍記する。
初句「菊よりも」は、菊の花よりもの意で、菊は霜に当たって色が変わるものとされた。
二句「人の心は」は、人の心はの意で、恋人の心を指す。
三句「初霜の」は、その年初めて置く霜のの意である。
四句「おきあへず色の」は、置ききらないうちに色のの意で、字余りである。
結句「かはるなりけり」は、変わるものだったのだなあの意で、「けり」は気づきの詠嘆である。前歌の「心へだつな」の願いに対し、ここでは心変わりを嘆いている。
はつしも:その年初めて置く霜
おきあふ:すっかり置ききる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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撫子の花に置きゐる朝露の たまさかにだに心隔つな
- 次の歌
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消え返りあるかなきかに物ぞ思ふ 移ろふ秋の花の上の霜