時雨のみふるの神杉古りぬれど
いかにせむとか色のつれなき
- 歌の意味
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時雨ばかりが降る布留の神杉は古くなったけれど、どうしようというのか、その色は変わらずつれない。
- 鑑賞
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恋歌 556
詞書「神無月の頃人のもとに」
時雨ばかりが降る布留の神杉は年を経て古くなったが、時雨にも色を変えない杉のように、あの人はいつまでも冷淡なままでどうしようというのかと嘆いた歌である。陰暦十月に恋人のもとへ贈った歌である。
底本は四句に「せよとか」と傍記し、類従本と定家所伝本では四句を「いかにせよとか」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「時雨のみ」は、時雨ばかりがの意で、陰暦十月の景である。
二句「ふるの神杉」は、時雨が降ることと、大和の布留の地名とを掛け、石上神宮の神杉を指す。
三句「ふりぬれど」は、古くなったけれどの意で、二句の「ふる」と音を重ねている。本巻の第四百五十五首の「ふるの高橋ふりぬとも」と同じ趣向である。
四句「いかにせむとか」は、どうしようというのかの意である。
結句「色のつれなき」は、色が変わらず冷淡であることの意で、時雨にも色を変えない杉と、心を動かさない恋人とを重ねている。
ふる:時雨が降る意と、地名の布留を掛ける
かみすぎ:神社の神域にある杉
つれなし:冷淡だ、変わらない
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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山賤の垣穂に咲ける撫子の 花の心を知る人のなき
- 次の歌
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待つ宵の更けゆくだにもあるものを 月さへあやな傾きにけり