玉鉾の道は遠くもあらなくに
旅と思へばわびしかりけり
- 歌の意味
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道のりはそれほど遠いわけでもないのに、旅だと思うと心細くわびしいことだ。
- 鑑賞
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雑歌 562
詞書「旅の心を」
道のりが遠いわけではないのに、旅に出ていると思うだけで心細くなると詠んだ歌である。距離ではなく、家を離れているという思いそのものが旅のわびしさを生むという、旅の心の本質を素直に言い当てている。源実朝の家集『金槐和歌集』雑部の巻頭の一首である。
類従本ではこの歌は旅の部に収められている。
初句「玉鉾の」は「道」にかかる枕詞である。雑部は旅の歌から始まり、巻末の第七百十六首が民の嘆きを思って龍王に祈る歌で結ばれる。旅立つ一人の心から始まり、国を治める者の祈りで閉じる構成となっている。
二句「みちは遠くも」は、道のりは遠くもの意である。
三句「あらなくに」は、ないのにの意で、「なくに」は打消の「ず」のク語法に「に」が付いた形で、逆接を表す。
四句「旅とおもへば」は、旅だと思うとの意で、実際の距離ではなく心の持ちようを示している。
結句「わびしかりけり」は、心細くわびしいことだの意で、「けり」は気づきの詠嘆である。
たまぼこの:道にかかる枕詞
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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難波潟汀の葦のいつまでか ほは出でずしも秋を忍ばむ
- 次の歌
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草枕旅にしあれば妹に恋ひ 眠る間をなみ夢さへ見えず