草枕旅にしあれば妹に恋ひ
眠る間をなみ夢さへ見えず
- 歌の意味
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旅の途中にあるので、妻を恋しく思って眠る間もなく、夢にさえ妻の姿が見えない。
- 鑑賞
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雑歌 563
詞書は前の歌に続き「旅の心を」
旅先で妻を恋しく思うあまり眠ることもできず、せめて夢で会いたいと思っても、その夢さえ見られないと詠んだ歌である。万葉集の旅の歌の調べにならった、素朴で率直な一首である。
類従本では「一本及印本所載歌」の部に収められている。なお底本の表示には四句に判読しにくい箇所があり、ここでは「ねむるまをなみ」と読む。
初句「草枕」は「旅」にかかる枕詞である。次歌の第五百六十四首と初句、二句を同じくし、旅寝の苦しさを続けて詠んでいる。
二句「旅にしあれば」は、旅の途中にあるのでの意で、「し」は強意の副助詞である。
三句「いもにこひ」は、妻を恋しく思っての意である。
四句「ねむるまをなみ」は、眠る間がないのでの意で、「を〜み」は原因、理由を表す。
結句「夢さへ見えず」は、夢にさえ見えないの意で、眠れないために夢でも会えないという嘆きである。
いも:妻や恋人を親しんで呼ぶ語
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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玉鉾の道は遠くもあらなくに 旅と思へばわびしかりけり
- 次の歌
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草枕旅にしあれば刈り薦の 思ひ乱れていこそ寝られぬ