- 歌の意味
- 旅の衣の袂を片方だけ敷いて、今夜もまた草の枕で私はひとり寝るのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 565
詞書は前の歌に続き「旅の心を」
旅衣の片袖を敷いて、今夜もまた草を枕にひとりで寝るのだろうかと詠んだ歌である。旅寝の侘しさと、共寝する人のいない孤独とが重ねられている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
勅撰集の『玉葉和歌集』に入集している。
初句「旅衣」は、旅で着る衣の意である。
二句「たもとかたしき」は、袂を片方だけ敷いての意で、ひとり寝のさまを表す歌語である。
三句「こよひもや」は、今夜もまたの意で、「や」は疑問の係助詞で、結句の「む」と連体形で結ぶ。前の夜も同じであったことを含ませている。
四句「草の枕に」は、草を結んだ枕にの意で、旅寝を表す。前の二首の枕詞「草枕」を実景として受けている。
結句「われひとり寝む」は、私はひとりで寝るのだろうかの意である。
かたしく:衣の片袖だけを敷いて独り寝する
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 草枕旅にしあれば刈り薦の 思ひ乱れていこそ寝られぬ
- 次の歌
- 旅寝する伊勢の浜荻露ながら 結ぶ枕に宿る月影