- 歌の意味
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也良の崎では月の光が寒々としている。鴨という名の舟は、波の上で浮き寝をしているらしい。
- 鑑賞
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雑歌 569
詞書は前の歌に続き「旅泊」
筑紫の也良の崎に寒々と月が照り、鴨という名の舟が波に浮かんで夜を明かしているらしいと詠んだ歌である。万葉集の歌の言葉を取り入れ、遠い地の名を用いて旅泊の寒々しさを描いている。
賀茂真淵はこの歌に評価の印を付け、也良の崎は筑紫の地であり、万葉集の「沖つ鳥鴨とふ船の帰り来ば也良の崎守早く告げこそ」によったもので、後の人が思いもよらない地名を取り出して連ねたさまが面白いと評している。類従本では「一本及印本所載歌」の部に収められている。
初句「やらのさき」は、筑前国の能古島の也良の崎の意である。
二句「月影さむし」は、月の光が寒々としているの意で、二句切れである。
三句「おきつ鳥」は「鴨」にかかる枕詞である。
四句「鴨といふ舟」は、鴨という名の舟の意で、万葉集の歌の言葉による。前歌の「舟とむるまで」を受けて、泊まる舟の姿を描いている。
結句「うきねすらしも」は、浮き寝をしているらしいの意で、「らし」は推定、「も」は詠嘆である。水鳥の鴨の浮き寝と舟の停泊とを重ねている。
おきつどり:鴨にかかる枕詞
うきね:水の上に浮いたまま寝ること、舟の上での旅寝
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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湊風いたくな吹きそしなが鳥 猪名の湖舟泊むるまで
- 次の歌
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世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも