- 歌の意味
- 露がしきりに置くので、慣れない野辺を行く狩衣もしっとりと濡れ、折も折、秋の夕暮れは悲しいことだ。
- 鑑賞
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雑歌 571
詞書「羇中夕露」
旅の途中、慣れない野辺を行くと狩衣は露にしとどに濡れ、しかも時は秋の夕暮れで、いっそう悲しいと詠んだ歌である。露、旅、秋の夕暮れという悲しみを誘うものを重ねている。
類従本では旅の部に収められている。
初句「露しげみ」は、露がしきりに置くのでの意で、「み」は原因、理由を表す。
二句「ならはぬ野辺の」は、慣れていない野辺のの意である。
三句「かり衣」は、狩衣、旅装束の意である。
四句「頃しもかなし」は、折も折、悲しいの意で、「しも」は強意である。
結句「秋の夕暮」は体言止めで、悲しみの極まる時を示す。次歌の第五百七十二首と同じ結句で、旅の夕露の歌を続けている。
かりぎぬ:狩衣、外出や旅に着た衣
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 世の中は常にもがもな渚漕ぐ 海人の小舟の綱手かなしも
- 次の歌
- 野辺分けぬ袖だに露は置くものを ただこの頃の秋の夕暮