- 歌の意味
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旅の衣を着て、もの悲しい夕暮れの裾野の露に、秋風が吹いている。
- 鑑賞
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雑歌 573
詞書は前の歌に続き「羇中夕露」
旅衣を着てたどる夕暮れの裾野に露が置き、そこへ秋風が吹きわたると詠んだ歌である。心のもの悲しさと、露を吹き散らす秋風の寒々しさとが重なっている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では旅の部に収められている。
初句「旅衣」は、旅の衣の意で、「うら」「裾」と衣の縁語を導いている。
二句「うらがなしかる」は、なんとなくもの悲しいの意で、「うら」は心の意で衣の裏を響かせる。
三句「夕ぐれの」は、夕暮れのの意である。前の二首の結句「秋の夕暮」を受けている。
四句「すそ野の露に」は、山裾の野の露にの意で、「すそ」は旅衣の裾と縁語になっている。次歌の第五百七十四首の二句と同じ句である。
結句「秋風ぞふく」は、秋風が吹いているの意で、「ぞ」は係助詞で、「ふく」と連体形で結ぶ。
うらがなし:心の中でなんとなく悲しい
すその:山の裾に広がる野
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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野辺分けぬ袖だに露は置くものを ただこの頃の秋の夕暮
- 次の歌
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旅衣裾野の露にうら枯れて ひもゆふ風に鹿ぞ鳴くなる