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ひとり臥す草の枕の露の上に
知らぬ野原の月を見るかな

歌の意味
ひとりで寝る草の枕に置いた露の上に、見知らぬ野原の月を見ることだ。
鑑賞
雑歌 577

詞書「旅宿月」
 旅先でひとり草を枕に寝ていると、枕の露の上に、見知らぬ野原を照らす月の光が映っていると詠んだ歌である。見知らぬ土地の月を見る旅人の心細さと、露に映る月の美しさが描かれている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
 類従本では旅の部に収められている。

 初句「ひとりふす」は、ひとりで寝るの意で、前歌と初句、二句を同じくする。前歌は鹿の声を、本歌は月の光を枕の露に結びつけている。
 二句「草の枕の」は、旅寝の枕のの意である。
 三句「露の上に」は、露の上にの意で、本巻の第五百六十六首の枕に宿る月影と同じ趣向である。
 四句「知らぬ野原の」は、見知らぬ野原のの意で、旅先の心細さを示す。
 結句「月を見るかな」は、月を見ることだの意で、「かな」は詠嘆である。

くさのまくら:草を結んで枕とすること、旅寝
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
ひとり臥す草の枕の夜の露は 友なき鹿の涙なりけり
次の歌
岩が根の苔の枕に露置きて 幾夜深山の月に寝ぬらむ