旅の空なれぬ埴生の夜の床
わびしきまでに漏る時雨かな
- 歌の意味
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旅の空の下、慣れない粗末な土間の小屋の夜の寝床に、わびしいほどに時雨が漏ってくることだ。
- 鑑賞
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雑歌 579
詞書「旅宿時雨」
旅先の慣れない粗末な小屋に泊まると、夜の寝床に時雨が漏ってきて、わびしさが身にしみると詠んだ歌である。旅寝の心細さを、雨漏りという具体的な不便によって描いている。
類従本では旅の部に収められている。定家所伝本では三句を「よるのとに」とする。
初句「旅の空」は、旅先、旅の途中の意である。
二句「なれぬ埴生の」は、慣れない土間の粗末な小屋のの意である。
三句「よるの床」は、夜の寝床の意である。
四句「わびしきまでに」は、わびしいほどにの意である。
結句「もる時雨かな」は、漏ってくる時雨であることだの意で、「かな」は詠嘆である。前の二首の月の澄んだ夜に対し、時雨の夜の旅寝を詠んでいる。
はにふ:土間に莚を敷いただけの粗末な小屋
しぐれ:秋の末から冬にかけて降ったりやんだりする雨
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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岩が根の苔の枕に露置きて 幾夜深山の月に寝ぬらむ
- 次の歌
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袖枕霜置く床の苔の上に 明かすばかりのさよの中山