- 歌の意味
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袖を枕にして、霜の置いた寝床の苔の上で夜を明かすばかりの佐夜の中山であることだ。
- 鑑賞
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雑歌 580
詞書「旅宿霜」
佐夜の中山で、袖を枕に、霜の降りた苔の上で寝るでもなく夜を明かすばかりだと詠んだ歌である。地名の「さよ」に「小夜」を響かせ、寒さに眠れない旅の夜を描いている。
類従本では旅の部に収められている。賀茂真淵は「袖枕」は後の時代の言葉であり、また佐夜の中山は本来「さやの中山」というべきで、「さ夜」と詠むのは誤りであると評している。
初句「袖枕」は、袖を枕とすることの意である。
二句「霜おく床の」は、霜の置いた寝床のの意である。
三句「苔の上に」は、苔の上にの意で、前の第五百七十八首の「苔の枕」に通じる。
四句「あかすばかりの」は、夜を明かすばかりのの意である。
結句「さよの中山」は、遠江国の佐夜の中山で、「さよ」に「小夜」を掛ける。体言止めである。本巻の第五百六十七首にも詠まれた地名である。
さよのなかやま:遠江国の峠の名と、小夜すなわち夜の意を掛ける
あかす:眠らずに夜を明かす
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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旅の空なれぬ埴生の夜の床 わびしきまでに漏る時雨かな
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しなが鳥猪名野の原の篠枕 枕の霜や宿る月影