旅衣夜半の片敷き冴え冴えて
野中の庵に雪降りにけり
- 歌の意味
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旅の衣を片方だけ敷いて寝る夜半はひどく冷えこんで、野中の仮の庵に雪が降ったことだ。
- 鑑賞
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雑歌 582
詞書「羇中雪」
旅衣の片袖を敷いてひとり寝る夜半が、しんしんと冷えこむので、気がつけば野中の仮の庵に雪が降り積もっていたと詠んだ歌である。身に感じる寒さから雪に気づくという順に詠み、旅寝の厳しさを描いている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では旅の部に収められている。
初句「旅衣」は、旅の衣の意である。本巻の第五百六十五首でも旅衣の片袖を敷くひとり寝が詠まれ、本歌はそれを雪の夜に移している。
二句「夜半の片しき」は、夜中に衣の片袖を敷いてひとり寝ることの意である。
三句「さえさえて」は、ひどく冷えこんでの意で、同じ語を重ねて寒さを強めている。
四句「野中の庵に」は、野の中の仮の小屋にの意である。
結句「雪ふりにけり」は、雪が降ったことだの意で、「に」は完了、「けり」は気づきの詠嘆である。
かたしく:衣の片袖だけを敷いて独り寝する
さゆ:冷えこむ
いほ:仮小屋、粗末な住まい
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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しなが鳥猪名野の原の篠枕 枕の霜や宿る月影
- 次の歌
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逢坂の関の山路越えわびぬ 昨日も今日も雪し積もれば