- 歌の意味
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たまに来てほんの少し聞くだけでも悲しい。山に住む人の苔むした庵の庭に吹く松風は。
- 鑑賞
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雑歌 587
詞書「屏風の絵に山家に松かける所に旅人あまたあるをよめる」
屏風に描かれた、松のある山家に旅人たちが立ち寄る場面を詠んだ歌である。たまに訪れて聞くだけでも悲しい松風の音を、ここに住む人は毎日聞いているのだと思いやっている。
類従本では旅の部に収められている。
初句「まれにきて」は、たまに来ての意である。次歌の第五百八十八首と同じ初句で、二首が対になっている。
二句「聞くだにかなし」は、聞くだけでも悲しいの意で、「だに」は、まして住む者はどれほどかと推量させる副助詞である。二句切れである。
三句「山がつの」は、山に住む身分の低い人のの意である。
四句「苔のいほりの」は、苔むした粗末な庵のの意である。
結句「庭の松風」は体言止めで、次歌と同じ結句である。前の二首の「峰の松風」を、屏風の山家の「庭の松風」に移している。
やまがつ:山に住む身分の低い人、木こりや猟師
いほり:粗末な仮住まい
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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暁の夢の枕に雪積もり わが寝覚め訪ふ峰の松風
- 次の歌
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稀に来て稀に宿借る人もあらじ あはれと思へ庭の松風