春雨はいたくな降りそ旅人の
道行き衣濡れもこそすれ
- 歌の意味
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春雨よ、ひどく降らないでくれ。旅人の道中の衣が濡れてしまうと困るから。
- 鑑賞
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雑歌 593
詞書は前の歌に続き「二所へ詣でたりし還向に春雨のいたく降れりしかば」
春雨に向かって、旅人の旅装が濡れてしまうからひどく降らないでくれと呼びかけた歌である。前歌で山人を思いやったのに続き、自分や供の者を含む旅人の身を気づかっている。
類従本では旅の部に収められている。
初句「春雨は」は、前歌の初句「春雨に」を受け、春雨への呼びかけとしている。
二句「いたくな降りそ」は、ひどく降らないでくれの意で、「な〜そ」は禁止を表す。二句切れである。本巻の第五百六十八首の「いたくな吹きそ」と同じ形である。
三句「旅人の」は、旅人のの意である。
四句「道行きころも」は、旅の道中に着る衣の意である。
結句「ぬれもこそすれ」は、濡れては困るからの意で、「もこそ」は悪い事態を心配する気持ちを表す。「こそ」の結びで「すれ」と已然形になっている。
みちゆきごろも:旅の道中に着る衣
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春雨にうちそぼちつつあしひきの 山路行くらむ山人や誰
- 次の歌
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旅を行きし跡の宿守おれおれに 私あれや今朝はいまだ来ぬ