いにしへの神代の影ぞ残りける
天の岩戸のあけがたの月
- 歌の意味
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いにしえの神代の光が今も残っていることだ。天の岩戸が開いた明け方のような、この夜明けの月には。
- 鑑賞
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雑歌 615
詞書「神祇の歌の中に」
夜明けの空に残る月を見て、天照大神が天の岩戸を開いて世に光が戻った神代の光が、今も残っているのだと詠んだ歌である。眼前の明け方の月に、神話の世界を重ね合わせている。
類従本では、この歌から第六百十七首までの三首を「神祇」と題して神祇の部に収める。定家所伝本では四句の一字を異にする。
初句「いにしへの」は、遠い昔のの意である。
二句「神代のかげぞ」は、神代の光がの意で、「ぞ」は係助詞で、三句の「ける」と連体形で結ぶ。
三句「のこりける」は、残っていることだの意で、三句切れである。
四句「天の岩戸の」は、天照大神がこもったという天上の岩屋の戸のの意である。
結句「あけがたの月」は、明け方の月の意で、「あけ」に夜が「明け」と岩戸を「開け」とを掛ける。体言止めである。
あまのいはと:天照大神がこもった天上の岩屋の戸
あけがた:夜が明ける頃の意と、岩戸を開ける意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
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恋しとも思はでいかが久方の 天照る神も空に知るらむ
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月冴ゆる御裳濯川の底清み いづれの代にかすみはじめけむ