月冴ゆる御裳濯川の底清み
いづれの代にかすみはじめけむ
- 歌の意味
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月の光が冴えわたる御裳濯川は川底まで清らかで、いったいどの御代からこのように澄みはじめ、神がここに住みはじめたのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 616
詞書は前の歌に続き「神祇の歌の中に」
伊勢神宮の御裳濯川に月の光が冴えわたり、川底まで清らかに澄んでいるのを見て、いつの御代からこのように澄み、神がここに鎮まりはじめたのだろうかと、その悠久の昔を思った歌である。
類従本では神祇の部に収められている。
初句「月さゆる」は、月の光が冷たく澄んでいるの意である。前歌の明け方の月を受けて、伊勢の月を詠んでいる。
二句「みもすそ川の」は、伊勢神宮の内宮を流れる御裳濯川、すなわち五十鈴川のの意である。
三句「底きよみ」は、川底が清らかなのでの意で、「み」は原因、理由を表す。
四句「いづれの代にか」は、どの御代にの意で、「か」は疑問の係助詞で、結句の「けむ」と連体形で結ぶ。
結句「すみはじめけむ」は、澄みはじめたのだろうかの意で、「すみ」に川が「澄み」と神が「住み」を掛ける。「けむ」は過去推量である。
みもすそがは:伊勢神宮の内宮を流れる五十鈴川の別名
すむ:水が澄む意と、神が住む、鎮座する意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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いにしへの神代の影ぞ残りける 天の岩戸のあけがたの月
- 次の歌
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八百万四方の神たち集まれり 高天の原に千木高くして