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八幡山小高き松にゐる鶴の
羽白妙に雪は降りつつ

歌の意味
八幡山の小高い松にとまっている鶴の羽が、真っ白になるほどに、雪が降り続いている。
鑑賞
雑歌 621

詞書は前の歌に続き「鶴岡別当僧都の許に雪の降れりし朝詠みて遣はす」
 八幡山の高い松にとまっている鶴の羽が、降りしきる雪でいっそう白く見えると詠んだ歌である。前歌に続いて鶴岡別当に贈ったもので、「鶴が岡」の名にちなんで鶴を詠み込んだ趣向とみられる。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
 類従本では冬の部に収められている。底本の表示では結句に「みゆきふるらし」と「雪はふりつつ」の二通りが見え、ここでは「雪はふりつつ」と読む。

 初句「八幡山」は、本巻の第六百十九首と同じ初句である。
 二句「小高き松に」は、第六百十九首の二句「小高き松の」とほぼ同じ句である。
 三句「ゐるたづの」は、とまっている鶴のの意で、前歌の「鶴が岡」の鶴を実際の鳥として詠んでいる。
 四句「はね白たへに」は、羽が真っ白にの意である。
 結句「雪はふりつつ」は、雪が降り続いているの意で、「つつ」は継続を表す。前歌の積もった雪に対し、降りしきる雪を詠んでいる。

たづ:鶴
しろたへ:真っ白なこと
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
鶴が岡仰ぎて見れば峰の松 梢はるかに雪ぞ積もれる
次の歌
ちはやぶる御手洗川の底清み のどかに月の影は澄みけり