何し負はばそのかみ山のあふひ草
かけて昔を思ひ出でなむ
- 歌の意味
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名に負うならば、神山の葵、すなわち逢う日という名の草よ、その名にかけて、昔のことを思い出してほしい。
- 鑑賞
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雑歌 625
詞書は前の歌に続き「同じ社を詠める」
賀茂の神山に生える葵は「逢ふ日」という名を負っているのだから、その名にかけて、昔逢った日のことを思い出してほしいと詠んだ歌である。賀茂の葵を恋の思い出に結びつけている。後撰集の三条右大臣の「名にし負はば逢坂山のさねかづら人に知られで来るよしもがな」の言い回しをふまえる。
類従本では恋の部に収められている。
初句「何しおはば」は、名として持っているならばの意で、「何」は「名に」に当てた表記である。
二句「その神山の」は、賀茂の神山のの意で、「そのかみ」に「その神山」と、昔の意の「そのかみ」を掛ける。四句の「昔」と響き合っている。
三句「あふひ草」は、葵の意で、「あふひ」に「葵」と「逢ふ日」を掛ける。前歌の初句と同じ語である。
四句「かけて昔を」は、名にかけて昔をの意で、「かけ」は前歌の「かづらにかけて」の「かけ」を響かせる。
結句「思ひいでなむ」は、思い出してほしいの意で、「なむ」は他にあつらえ望む終助詞である。
そのかみやま:賀茂の神山の意と、昔の意のそのかみを掛ける
あふひ:葵の意と、逢う日の意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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葵草鬘にかけてちはやぶる 賀茂の祭りを練るや誰が子ぞ
- 次の歌
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さ夜更けて稲荷の宮の杉の葉に 白くも霜の置きにけるかな