住の江の岸の姫松古りにけり
いづれの世にか種は蒔きけむ
- 歌の意味
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住の江の岸の姫松はすっかり古びたことだ。いったいどの御代に、その種は蒔かれたのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 627
詞書「屏風に書きつけ侍りし」
屏風に書きつけた歌である。住の江の岸に生える姫松はすっかり古木になっているが、いったいいつの世にその種が蒔かれたのだろうかと、松の長い齢を思いやっている。古今集の「我見ても久しくなりぬ住の江の岸の姫松いく代経ぬらむ」をふまえている。
類従本では詞書を「屏風の歌」とする。底本の表示は初句が判読しにくく、類従本、定家所伝本の「住の江の」に従って読む。
初句「住の江の」は、摂津国の住吉の入り江のの意で、松の名所の歌枕である。
二句「岸の姫松」は、岸に生える小さな松の意で、古今集の歌の句を用いている。
三句「ふりにけり」は、古びたことだの意で、三句切れである。
四句「いづれの世にか」は、どの世にの意で、「か」は疑問の係助詞で、結句の「けむ」と連体形で結ぶ。本巻の第六百十六首の「いづれの代にか」と同じ問いかけである。
結句「たねはまきけむ」は、種は蒔かれたのだろうかの意で、「けむ」は過去推量である。本巻の第六百十九首の松の「たね」と通じる。
ひめまつ:小さな松、松の美称
すみのえ:摂津国の住吉の入り江、松の名所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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さ夜更けて稲荷の宮の杉の葉に 白くも霜の置きにけるかな
- 次の歌
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月の澄む北野の宮の小松原 幾世を経てか神さびにけむ