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月の澄む北野の宮の小松原
幾世を経てか神さびにけむ

歌の意味
月の澄む北野の宮の小松原は、どれほどの世を経て、このように神々しくなったのだろうか。
鑑賞
雑歌 628

詞書「社頭月」
 月の澄みわたる北野天満宮の小松原は、どれほどの年月を経て、これほど神々しく古びたのだろうかと詠んだ歌である。月の光に照らされた神域の松原の厳かさを描いている。
 類従本では神祇の部に収められている。

 初句「月のすむ」は、月が澄んでいるの意である。
 二句「北野の宮の」は、山城国の北野天満宮のの意である。
 三句「小松原」は、小さな松の生える原の意である。前歌の「姫松」に続き、社の松を詠んでいる。
 四句「いく世を経てか」は、どれほどの世を経てかの意で、「か」は疑問の係助詞で、結句の「けむ」と連体形で結ぶ。
 結句「神さびにけむ」は、神々しく古びたのだろうかの意で、「けむ」は過去推量である。前歌の「ふりにけり」と同じく、松の古さに長い歳月を思っている。

かみさぶ:古びて神々しくなる
こまつばら:小さな松の生えている原
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
住の江の岸の姫松古りにけり いづれの世にか種は蒔きけむ
次の歌
雪積もる和歌の松原ふりにけり 幾世経ぬらむ玉津島守