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年積もるこしの白山知らずとも
頭の雪をあはれとは見よ

歌の意味
年が積もり越してきた越の白山のことは知らなくても、白髪となった私の頭の雪だけは、あわれと見てほしい。
鑑賞
雑歌 633

詞書「社頭雪」
 雪の積もる越の白山を見たことはなくても、年を重ねて雪のように白くなった私の頭を、せめてあわれと見てほしいと、白山の神に呼びかけた歌である。白山の雪と白髪とを重ね、老いの嘆きを神に訴えている。
 底本には、この歌は新古今集の顕輔の歌に似ているがどうかという付記がある。

 初句「年つもる」は、年が積もるの意で、「積もる」は雪の縁語である。
 二句「こしの白山」は、越の国の白山の意で、「こし」に地名の「越」と年を「越し」を掛ける。白山は雪の山として名高く、白山権現がまつられる。
 三句「知らずとも」は、知らなくてもの意で、二句の「白山」と同音を重ねている。
 四句「かしらの雪を」は、頭の白髪をの意で、白髪を雪にたとえている。
 結句「あはれとは見よ」は、あわれと見てほしいの意で、命令形で神に呼びかけている。

こし:北陸の古名の越の意と、年を越す意を掛ける
しらやま:加賀国の白山、雪の山として名高い
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
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今作る三輪の祝が杉社 すぎにしことは問はずともよし
次の歌
み熊野の梛の葉しだり降る雪は 神のかけたる垂にぞありける