み熊野の梛の葉しだり降る雪は
神のかけたる垂にぞありける
- 歌の意味
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熊野の梛の葉が垂れ下がるほどに降る雪は、神がかけた紙垂であったのだ。
- 鑑賞
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雑歌 634
詞書は前の歌に続き「社頭雪」
熊野の社の神木である梛の葉が垂れ下がるほどに降り積もった雪は、神がかけた白い紙垂であったのだと見立てた歌である。雪の白さを神前の紙垂にたとえ、神域の清らかさを描いている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では冬の部に収められている。なお底本の表示では、三句に「雪降るは」、結句に「あるらし」とも見え、ここでは「降る雪は」「ありける」と読む。
初句「み熊野の」は、紀伊国の熊野のの意で、「み」は美称の接頭語である。
二句「なぎの葉しだり」は、梛の葉が垂れ下がっての意で、梛は熊野の神木である。
三句「降る雪は」は、降る雪はの意である。前歌の白山の雪から、熊野の雪へと移っている。
四句「神のかけたる」は、神がかけたの意である。
結句「しでにぞありける」は、紙垂であったのだの意で、「ぞ」は係助詞で「ける」と連体形で結ぶ。
なぎ:梛、熊野の神木とされる常緑樹
しで:玉串や注連縄に垂らす紙や布、紙垂
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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年積もるこしの白山知らずとも 頭の雪をあはれとは見よ
- 次の歌
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五月雨を幣に手向けて三熊野の 山時鳥鳴きとよむなり