五月雨を幣に手向けて三熊野の
山時鳥鳴きとよむなり
- 歌の意味
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五月雨を幣として神に捧げて、熊野の山時鳥が鳴き響かせているようだ。
- 鑑賞
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雑歌 635
詞書「社頭時鳥」
降りしきる五月雨を幣として神に捧げるかのように、熊野の山時鳥が鳴き声を響かせていると詠んだ歌である。前歌で雪を紙垂に見立てたのに続き、ここでは雨を幣に見立てている。
類従本では夏の部に収められている。なお底本の表示は二句の一字が判読しにくく、ここでは「ぬさに手向けて」と読む。
初句「五月雨を」は、梅雨の長雨をの意である。
二句「ぬさに手向けて」は、幣として神に捧げての意で、雨の筋を幣に見立てている。前歌で雪を「しで」としたのと対をなす。
三句「三熊野の」は、熊野のの意で、前歌の「み熊野」を受けている。
四句「山時鳥」は、山にすむ時鳥の意である。
結句「なきとよむなり」は、鳴き響かせているようだの意で、「なり」は音による推定である。
ぬさ:神に捧げる幣帛
とよむ:音を響かせる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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み熊野の梛の葉しだり降る雪は 神のかけたる垂にぞありける
- 次の歌
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み熊野の那智のお山に引く注連の うちはへてのみ落つる滝かな