み熊野の那智のお山に引く注連の
うちはへてのみ落つる滝かな
- 歌の意味
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熊野の那智の山に引き渡した注連縄のように、長く延びて絶え間なく落ち続ける滝であることだ。
- 鑑賞
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雑歌 636
詞書「法眼定忍に逢ひて侍りしに那智の山の滝のありさまを語れりしかば」
法眼定忍に会ったとき、那智の山の滝のありさまを語ってくれたので詠んだ歌である。那智の滝の長く落ち続けるさまを、山に引き渡された注連縄が長く延びるさまにたとえ、神域の滝の神々しさを描いている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では神祇の部に収め、詞書を「那智滝の有さまかたりしを」とする。
初句「みくま野の」は、熊野のの意で、前の二首の「み熊野」「三熊野」に続いている。
二句「なちのお山に」は、那智の山にの意である。
三句「引くしめの」は、引き渡す注連縄のの意で、ここまでが四句の「うちはへ」を導く序詞である。
四句「うちはへてのみ」は、長く延びてひたすらにの意で、注連縄が延びるさまと滝が長く続くさまとを重ねている。
結句「おつる瀧かな」は、落ちる滝であることだの意で、「かな」は詠嘆である。
しめ:神域を示すために張る縄、注連縄
うちはふ:長く延ばす、長く続ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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五月雨を幣に手向けて三熊野の 山時鳥鳴きとよむなり
- 次の歌
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冬ごもり那智の嵐の寒ければ 苔の衣の薄くやあるらむ