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伊豆の国や山の南に出づる湯の
速きは神の験なりけり

歌の意味
伊豆の国よ、山の南に湧き出る湯の勢いの速さは、神の霊験のあらわれであったのだ。
鑑賞
雑歌 640

詞書は前の歌に続き「走湯山参詣の時」
 伊豆の山の南に勢いよく湧き出る湯の速さは、まさしく神の霊験のあらわれなのだと詠んだ歌である。走湯山参詣の三首の結びとして、湯の勢いと神の力とを一つに結んでいる。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
 勅撰集の『玉葉和歌集』に入集している。類従本では初句の一字を異にする。

 初句「伊豆の国や」は、伊豆の国よの意で、「や」は詠嘆の間投助詞である。六音の字余りである。
 二句「山の南に」は、山の南側にの意である。
 三句「出づる湯の」は、湧き出る湯のの意で、前の第六百三十八首の「いづる湯の」と同じ句である。
 四句「はやきは神の」は、速いのは神のの意で、前歌の「はやき」を受けている。
 結句「しるしなりけり」は、霊験であったのだの意で、前歌の「しるし」を受けている。三首の一連が、名の由来から神の力の確信へと進んで結ばれている。

しるし:神仏のご利益、霊験
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
走湯の神とはうべも言ひけらし 速き験のあればなりけり
次の歌
ちはやぶる伊豆のお山の玉椿 八百万代も色は変はらじ