古りにける朱の玉垣神さびて
破れたる御簾に松風ぞ吹く
- 歌の意味
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古びてしまった朱塗りの玉垣は神々しくなって、破れた御簾に松風が吹いている。
- 鑑賞
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雑歌 642
詞書「社頭松風」
古びた朱塗りの玉垣がいっそう神々しさを増し、破れた御簾に松風が吹き通っていると詠んだ歌である。荒れた社の寂しさの中に、長い歳月を経た神域の厳かさを見いだしている。
類従本では神祇の部に収められている。なお底本の表示は初句、四句の頭が判読しにくく、ここでは「ふりにける」「やれたる」と読む。
初句「ふりにける」は、古びてしまったの意である。
二句「あけの玉垣」は、朱塗りの美しい垣の意で、神社の周りをめぐる垣をいう。
三句「かみさびて」は、神々しくなっての意で、本巻の第六百二十八首の結句「神さびにけむ」と同じ語である。
四句「やれたる御簾に」は、破れた御簾にの意で、社の荒れたさまを示す。
結句「松風ぞふく」は、松風が吹いているの意で、「ぞ」は係助詞で「ふく」と連体形で結ぶ。本巻の第五百八十五首から第五百八十八首の屏風歌の結句「松風」と同じく、松風に寂しさを託している。
たまがき:神社の周囲にめぐらした垣、玉垣
みす:神前や貴人の部屋に掛ける簾
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
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ちはやぶる伊豆のお山の玉椿 八百万代も色は変はらじ
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石上古き都は神さびて 祟るにしあれや人も通はぬ