里巫女が御湯立て笹のそよそよに
靡き起き伏しよしや世の中
- 歌の意味
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里の巫女が湯立ての神事に振る笹がそよそよとなびき、起き伏しするように、なすがままでよい、世の中は。
- 鑑賞
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雑歌 645
詞書は前の歌に続き「神祇の歌数多詠み侍りしに」
里の巫女が湯立ての神事で振る笹が、そよそよとなびいて起きたり伏したりするように、世の中も成り行きにまかせればよいと詠んだ歌である。神事の光景から、世の移り変わりに逆らわずに生きる心境へと転じている。
類従本では神祇の部に収められている。
初句「さとみこが」は、村の神社に仕える巫女がの意である。
二句「み湯たて笹の」は、湯立ての神事で用いる笹のの意である。湯立ては釜で湯を沸かし、巫女が笹をその湯に浸して振りかける神事である。
三句「そよそよに」は、そよそよとの意で、笹が風に鳴る音を表す。
四句「なびきおきふし」は、なびいて起きたり伏したりの意で、笹の動きに人の世の浮き沈みを重ねている。
結句「よしや世の中」は、ままよ、世の中はの意で、「よしや」は成り行きにまかせる気持ちを表す。体言止めである。
さとみこ:村里の神社に仕える巫女
ゆたて:釜で沸かした湯を巫女が笹で振りかける神事
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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上野の勢多の赤城の神社 大和にいかで跡を垂れけむ
- 次の歌
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瑞垣の久しき世より木綿襷 かけし心は神ぞ知るらむ