古典和歌stream

田鶴のゐる長柄の浜の浜風に
万代かけて波ぞ寄すなる

歌の意味
鶴のいる長柄の浜の浜風に、万代をかけて波が寄せているようだ。
鑑賞
雑歌 653

詞書は前の歌に続き「祝の心を」
 鶴の遊ぶ長柄の浜に浜風が吹き、万代の後までも続けて波が寄せていると詠んだ歌である。絶えず寄せる波と長寿の鶴に、御代の永続を重ねてことほいでいる。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
 類従本では賀の部に収められている。

 初句「田鶴のゐる」は、鶴のいるの意で、次歌の第六百五十四首と初句、二句をほぼ同じくする。
 二句「長柄の濱の」は、摂津国の長柄の浜のの意で、「長」に長久の意を響かせる。
 三句「はま風に」は、浜辺に吹く風にの意で、二句の「濱」を重ねている。
 四句「萬代かけて」は、万代にわたっての意である。
 結句「波ぞ寄すなる」は、波が寄せているようだの意で、「なる」は音による推定、「ぞ」の結びである。

よろづよ:限りなく長い年月
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
姫島の小松が末にゐる鶴の 千年経れども年老いずけり
次の歌
田鶴のゐる長良の浜の浜松の まつとはなしに千代をこそ経れ