田鶴のゐる長良の浜の浜松の
まつとはなしに千代をこそ経れ
- 歌の意味
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鶴のいる長良の浜の浜松は、何かを待つというのでもなく、千代を経ていることだ。
- 鑑賞
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雑歌 654
詞書「寄松祝といふ事を」
松に寄せて祝う心を詠んだ歌である。鶴のいる長良の浜の松は、何を待つというのでもないのに、千代という長い年月を経てきたと詠み、松の長寿に御代の長久を重ねてことほいでいる。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
類従本では「一本及印本所載歌」の部に収められている。なお底本の表示は結句の一字が判読しにくく、ここでは「千世をこそふれ」と読む。
初句「田鶴のゐる」は、前歌と同じ初句である。
二句「長良の濱の」は、前歌の「長柄の浜」と同じ地で、表記を異にする。
三句「濱松の」は、浜辺の松のの意で、ここまでが四句の「まつ」を導く序詞である。前歌の「はま風」を「浜松」に変えている。
四句「まつとはなしに」は、待つというのでもなくの意で、「まつ」に「松」と「待つ」を掛ける。
結句「千世をこそふれ」は、千代を経ていることだの意で、「こそ」は係助詞で「ふれ」と已然形で結ぶ。前歌の「萬代」と対をなしている。
まつ:松の意と、待つの意を掛ける
ふ:年月を経る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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田鶴のゐる長柄の浜の浜風に 万代かけて波ぞ寄すなる
- 次の歌
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君が代はなほしも尽きじ住吉の 松は百度生ひ代はるとも