古典和歌stream

行く末も限りは知らず住吉の
松に幾世の年か経ぬらむ

歌の意味
これからの行く末も限りがわからない。住吉の松は、これまでにどれほどの世の年を経てきたのだろうか。
鑑賞
雑歌 656

詞書は前の歌に続き「寄松祝といふ事を」
 住吉の松は、これから先の命の限りもわからず、これまでにもどれほどの年を経てきたのだろうかと、未来と過去の両方にわたる松の長寿を詠み、御代の長久をことほいでいる。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
 勅撰集の『続後撰和歌集』に入集している。類従本では賀の部に収められている。

 初句「行末も」は、将来もの意である。
 二句「かぎりは知らず」は、限りがわからないの意で、二句切れである。
 三句「住吉の」は、前歌の三句と同じ句である。
 四句「松にいく世の」は、松にどれほどの世のの意である。前歌が未来を詠んだのに対し、本歌は行く末と過ぎてきた年月の両方を詠んでいる。
 結句「年か經ぬらむ」は、年を経たのだろうかの意で、「か」は疑問の係助詞で「らむ」と連体形で結ぶ。

ゆくすゑ:これから先、将来
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
君が代はなほしも尽きじ住吉の 松は百度生ひ代はるとも
次の歌
住の江に生ふてふ松の枝しげみ 葉ごとに千代の数ぞ籠もれる