住の江に生ふてふ松の枝しげみ
葉ごとに千代の数ぞ籠もれる
- 歌の意味
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住の江に生えているという松は枝が茂っているので、その葉の一枚一枚に千代の数がこもっている。
- 鑑賞
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雑歌 657
詞書は前の歌に続き「寄松祝といふ事を」
住の江に生えるという松は枝がよく茂っているので、その葉の一枚ごとに千代の年数がこもっていると詠んだ歌である。松の無数の葉に千代を数え、限りない長寿をことほぐ趣向である。
類従本では賀の部に収められている。定家所伝本では初句を「住吉の」とする。なお底本の表示は二句の一字が判読しにくく、ここでは「おふてふ」と読む。
初句「住の江に」は、住吉の入り江にの意で、前の二首の住吉を受けている。
二句「おふてふ松の」は、生えているという松のの意で、「てふ」は「といふ」の約である。
三句「枝しげみ」は、枝が茂っているのでの意で、「み」は原因、理由を表す。
四句「葉每に千世の」は、葉の一枚ごとに千代のの意である。一本の松の一枚の葉に千代を見る、尺度を細かくした趣向で、前の二首の「松」全体の長寿と対をなしている。
結句「數ぞこもれる」は、数がこもっているの意で、「ぞ」は係助詞で「る」と連体形で結ぶ。
すみのえ:摂津国の住吉の入り江、松の名所
こもる:中に含まれる、宿る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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行く末も限りは知らず住吉の 松に幾世の年か経ぬらむ
- 次の歌
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行く末の千年をこめて春霞 たつたの山に松風ぞ吹く