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岩の上に生ふる小松の年も経ぬ
幾千代までと契りおきけむ

歌の意味
岩の上に生える小松も年を経た。幾千代までと約束しておいたのだろうか。
鑑賞
雑歌 660

詞書「障子の絵に岩に松の生ひたる所」
 障子に描かれた、岩の上に松が生えている絵を見て詠んだ歌である。岩の上に生えた小松も年を経てきたが、いったい幾千代まで生きようと約束しておいたのだろうかと、岩と松の長久をことほいでいる。
 類従本では「一本及印本所載歌」の部に収められている。

 初句「岩の上に」は、岩の上にの意で、動かない岩は永遠の象徴である。
 二句「おふる小松の」は、生えている小松のの意である。
 三句「年も經ぬ」は、年も経たの意で、三句切れである。
 四句「いく千代までと」は、幾千代までとの意である。
 結句「契りおきけむ」は、約束しておいたのだろうかの意で、「けむ」は過去推量である。

ちぎりおく:前もって約束しておく
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
くらゐ山小高くならむ松にのみ 八百万代と春風ぞ吹く
次の歌
竹の葉に降り覆ふ雪の末を重み 下にも千代の色は隠れず