岩に生す苔の緑の深き色を
幾千代までと誰か染めけむ
- 歌の意味
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岩に生えている苔の緑の深い色を、幾千代までも変わらないようにと、誰が染めたのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 665
詞書「寄苔祝といふ事を」
苔に寄せて祝う心を詠んだ歌である。岩に生える苔の深い緑色を、幾千代までも色あせないようにと、いったい誰が染めたのだろうかと詠み、長い年月をかけて育つ苔に御代の長久をことほいでいる。
類従本では賀の部に収められている。
初句「岩にむす」は、岩に生えているの意で、「むす」は苔などが生える意である。
二句「苔のみどりの」は、苔の緑のの意である。前の竹の緑に続き、苔の緑を詠んでいる。
三句「深き色を」は、深い色をの意で、六音の字余りである。
四句「いく千世までと」は、幾千代までもとの意で、本巻の第六百六十首の四句「いく千代までと」と同じ句である。
結句「たれか染めけむ」は、誰が染めたのだろうかの意で、「か」は疑問の係助詞で「けむ」と連体形で結ぶ。
むす:苔などが生える
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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相生の袖の触れにし宿の竹 よよは経にけりわが友として
- 次の歌
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玉垂れの小瓶に挿せる梅の花 万代経べきかざしなりけり