古典和歌stream

宿にある桜の花は咲きにけり
千年の春も常かくし見む

歌の意味
わが家にある桜の花は咲いたことだ。千年の後の春も、いつもこのように見よう。
鑑賞
雑歌 667

詞書「桜花咲けるを見て」
 わが家の桜の花が咲いたのを見て詠んだ歌である。咲いた桜を前にして、千年の後の春も、いつもこのように見ていたいと、変わらない春と長寿をことほいでいる。
 類従本では「はなの咲るを見て」とあって賀の部に収められている。

 初句「宿にある」は、わが家にあるの意である。
 二句「櫻の花は」は、桜の花はの意である。前歌の瓶の梅から、庭の桜へと移っている。
 三句「咲きにけり」は、咲いたことだの意で、三句切れである。
 四句「千とせの春も」は、千年の後の春もの意である。
 結句「つねかくし見む」は、いつもこのように見ようの意で、「し」は強意、「む」は意志である。

やど:家、住まい
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
玉垂れの小瓶に挿せる梅の花 万代経べきかざしなりけり
次の歌
千々の春万の秋に長らへて 月と花とを君ぞ見るべき