- 歌の意味
- 幾千の春、幾万の秋を生き長らえて、月と花とをわが君はご覧になるに違いない。
- 鑑賞
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雑歌 668
詞書「慶賀の歌」
慶賀の歌として詠まれた一首である。わが君は幾千の春、幾万の秋を生き長らえて、春の花と秋の月とを眺め続けられるだろうと、主君の長寿をことほいでいる。
勅撰集の『玉葉和歌集』に入集している。類従本では賀の部に収め、定家所伝本では四句の一字を異にする。賀茂真淵は「月と花とを」は後の時代の言い方であると評している。
初句「ちぢの春」は、幾千もの春の意である。
二句「よろづの秋に」は、幾万もの秋にの意で、初句の「ちぢの春」と対をなしている。
三句「ながらへて」は、生き長らえての意である。
四句「月と花とを」は、秋の月と春の花とをの意で、初二句の「春」「秋」を逆の順で受けている。
結句「君ぞみるべき」は、わが君がご覧になるに違いないの意で、「ぞ」は係助詞で「べき」と連体形で結ぶ。
ながらふ:長く生き続ける
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 宿にある桜の花は咲きにけり 千年の春も常かくし見む
- 次の歌
- 君が代になほ長らへて月清み 秋のみ空の影を待たなむ