山は裂け海は浅せなむ世なりとも
君に二心われあらめやも
- 歌の意味
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山は裂け、海は干上がってしまうような世であっても、わが君に背く二心など、私にあろうか。
- 鑑賞
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雑歌 677
詞書は前の歌に続き「太上天皇御書下し預かりし時の歌」
たとえ山が裂け、海が干上がるような世になっても、わが君に背く二心など私にあろうはずがないと、後鳥羽上皇への忠誠を誓った歌である。天地の異変を持ち出して誓いの固さを示す、雄大で力強い調べをもち、実朝の代表歌の一つとして名高い。
勅撰集の『新勅撰和歌集』に入集している。結句は貞享本、定家所伝本に「わがあらめやも」、類従本に「あらめやも」とあり、斎藤茂吉の『新訂金槐和歌集』は「しばらくわれと読むべし」と注しており、ここではそれに従う。賀茂真淵はこの歌に二重の評価の印を付け、その雄々しさはまことに大丈夫の誓いの言葉であると評している。
初句「山はさけ」は、山は裂けの意である。
二句「海はあせなむ」は、海は干上がってしまうだろうの意で、「なむ」は強意の「な」に推量の「む」が付いた形である。初句と対句をなしている。
三句「世なりとも」は、世であってもの意で、「とも」は逆接の仮定である。
四句「君にふた心」は、わが君に対して背く心の意で、八音の字余りである。前歌の「心はわくとも」と対照的に、二つに分かれない心を誓っている。
結句「われあらめやも」は、私にあろうかの意で、「やも」は反語である。前歌の結句「人にいはめやも」と同じ形で結んでいる。
あす:海や川が浅くなる、干上がる
ふたごころ:主君に背く心、二心
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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大君の勅を畏みちちわくに 心は分くとも人に言はめやも
- 次の歌
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ひむがしの国にわが居れば朝日さす 藐姑射の山の陰となりにき