春秋は変はりゆけどもわたつみの
中なる島の松ぞ久しき
- 歌の意味
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春と秋は移り変わってゆくけれども、海の中の島の松は、変わらずに久しくあることだ。
- 鑑賞
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雑歌 687
詞書は前の歌に続き「雑の歌の中に」
春と秋とは次々に移り変わってゆくけれども、海の中の島に生える松だけは変わらずに久しく立っていると詠んだ歌である。移ろう季節と変わらない松とを対比し、世の無常の中に変わらないものを見いだしている。
類従本、定家所伝本では二句を「ゆけども」とし、結句の表記を異にする。定家所伝本では三句を「わたつうみの」と六音にしている。なお底本の表示には二句に「ゆくとも」とも見え、ここでは「かはりゆけども」と読む。
初句「春秋は」は、春と秋はの意である。
二句「かはりゆけども」は、移り変わってゆくけれどもの意で、逆接である。
三句「わたつみの」は、海のの意である。
四句「なかなる島の」は、海の中にある島のの意である。
結句「松ぞ久しき」は、松は久しく変わらないことだの意で、「ぞ」は係助詞で「久しき」と連体形で結ぶ。前の二首の荒れゆく世に対し、変わらない松を詠んでいる。
わたつみ:海、また海の神
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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いづくにて世をば尽くさむ菅原や 伏見の里も荒れぬと言ふものを
- 次の歌
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豊国の企救の浜松老いにけり 知らず幾世の年か経にけむ