磯の松幾久さにかなりぬらむ
いたく木高き風の音かな
- 歌の意味
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磯の松はどれほどの久しい年月を経てきたのだろうか。ひどく木高く聞こえる風の音であることだ。
- 鑑賞
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雑歌 691
詞書「三崎といふ所へまかれりし道に磯辺の松年古りにけるを見て詠める」
三浦の三崎へ出かけた道すがら、磯辺の松が年を経て古木となっているのを見て詠んだ歌である。この磯の松はどれほどの年月を経てきたのだろうかと思い、高い梢を吹く風の音にその古さを感じ取っている。賀茂真淵はこの歌に評価の印を付けている。
勅撰集の『玉葉和歌集』に入集している。真淵は二句の「いくひささ」は「いく久しさ」を略した言い方であると評している。なお底本の表示は四句の一字が判読しにくく、ここでは「いたく木だかき」と読む。
初句「磯の松」は、磯辺の松の意である。
二句「いくひささにか」は、どれほどの久しさにかの意で、「か」は疑問の係助詞で、三句の「らむ」と連体形で結ぶ。
三句「なりぬらむ」は、なったのだろうかの意で、三句切れである。
四句「いたく木だかき」は、ひどく木の高いの意である。
結句「風の音かな」は、風の音であることだの意で、「かな」は詠嘆である。前歌の野中の松から、磯辺の松へと移っている。
こだかし:木が高くそびえている
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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おのづから我を尋ぬる人もあらば 野中の松よ見きと語るな
- 次の歌
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梓弓磯辺に立てる一つ松 あなつれづれげ友なしにして