浜辺なる前の川瀬を行く水の
早くも今日の暮れにけるかな
- 歌の意味
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浜辺にある前川の川瀬を流れゆく水のように、早くも今日は暮れてしまったことだ。
- 鑑賞
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雑歌 698
詞書「二所詣下向に浜辺の宿の前に前川といふ川あり、雨降りて水まさりしかば、日暮れて渡り侍りし時詠める」
二所詣の帰り道、浜辺の宿の前の前川という川が雨で増水していたので、日が暮れてから渡ったときに詠んだ歌である。速く流れてゆく川の水のように、早くも今日一日が暮れてしまったと、時の流れの速さを川の流れに重ねている。
類従本では詞書の一部の表記を異にする。
初句「濱べなる」は、浜辺にあるの意である。
二句「まへの川せを」は、前川の川瀬をの意で、詞書の地名をそのまま句に取り入れている。
三句「行く水の」は、流れゆく水のの意で、ここまでが四句の「早く」を導く序詞である。
四句「早くも今日の」は、早くも今日がの意で、水の流れの「速く」と時の「早く」を重ねている。
結句「くれにけるかな」は、暮れてしまったことだの意で、「かな」は詠嘆である。前歌の日の入る空を受けて、一日の暮れを詠んでいる。
かはせ:川の浅瀬
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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紅の千入のまふり山の端に 日の入る時の空にぞありける
- 次の歌
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徒歩人の渡れば揺るぐ葛飾の 真間の継橋朽ちやしぬらむ