朝ぼらけ跡なき波に鳴く千鳥
あなことごとしあはれいつまで
- 歌の意味
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夜明けの頃、跡も残さない波の上で鳴く千鳥よ、ああ大げさなことだ。あわれ、いつまで鳴いているのか。
- 鑑賞
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雑歌 704
詞書「千鳥」
夜明けの波の上で鳴く千鳥を詠んだ歌である。跡も残さず消えてゆく波の上で、千鳥がしきりに鳴き立てるのを、ああ大げさなことだ、いつまでそう鳴いていられようかと詠み、はかない世に騒ぎ立てるものへの無常の思いを込めている。
初句「朝ぼらけ」は、夜がほのぼのと明ける頃の意である。
二句「跡なき浪に」は、跡も残さず消える波にの意で、はかなさの象徴である。
三句「鳴く千鳥」は、鳴いている千鳥の意で、三句切れである。前の二首の雁、鶴に続き、鳥の鳴き声を詠んでいる。
四句「あなことごとし」は、ああ大げさなことだの意で、「あな」は感動詞である。
結句「あはれいつまで」は、ああ、いつまでかの意である。次歌の第七百五首と同じ結句で、二首が無常の嘆きで結ばれている。
ことごとし:大げさである、仰々しい
あさぼらけ:夜がほのぼのと明けるころ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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沢辺より雲居に通ふ葦鶴も 憂きことあれや音のみ鳴くらむ
- 次の歌
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空蝉の世は夢なれや桜花 咲きては散りぬあはれいつまで